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世銀グループの2013年度の途上国向け支援、およそ530億ドル 世界の貧困層の暮らし向上に向けて努力


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奥 智美
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IDAによる融資は過去最高、サブサハラ向けプロジェクトはこれまでにない規模、IFCとMIGAによる投融資と保証引き受けも記録的水準

ワシントン、2013年7月23日-2013年度(2012年7月1日-2013年6月30日)、途上国の経済成長、繁栄の共有の促進、極度の貧困の撲滅のための世銀グループの貸出、グラント、直接投資、保証のコミットメント累計は526億ドルに上った。
 
世界の経済環境が困難に直面する中でも、世銀の最貧国向け基金である国際開発協会(IDA)を通じたコミットメントは過去最高となった他、民間セクター向け投融資と政治的リスク保証も記録的な水準となった。
2013年度と2012年度の
世銀グループのコミットメント
(単位:10億ドル)
世銀グループ 13年度* 12年度*
IBRD 15.2 20.6
IDA 16.3 14.7
IFC+ 18.3 15.4
MIGA 2.8 2.7
合計 52.6 53.4
*未監査の暫定値。
+自己勘定のみ。投資家を通じて動員された65億ドル弱(2013年度)と50億ドル弱(2012年度)は除く。

世銀は最近、2013年の途上国の経済成長見通しを2012年の5.0%から5.1%に引き上げ、途上国のGDP成長率は今後数年間にかけて伸びが予測されると指摘した。ユーロ圏では景気後退が進んでいるものの、先進国によるリスクは後退し、成長見通しは改善している。一部の国では成長が伸び悩んでおり、供給サイドの改革が終わらない限り、危機以前の成長率に回復する可能性は低い。

世界経済の回復は緩慢ながら、世銀グループは貧困層に機会を与え、必要なサービスを届けるために、約1,956件のプロジェクトを支援した。具体的には、栄養分野への投資、民間セクターの成長促進、インフラ整備、ガバナンスや組織・制度の強化などである。

今年度の成果に貢献した世銀グループ機関は、貸出やリスク管理などの金融サービスを中所得国に提供する国際復興開発銀行(IBRD)、最貧国に無利子融資・グラントを提供する貧困層向け基金の国際開発協会(IDA)、途上国の民間企業に直接投資や融資、保証、アドバイザリー・サービスを提供する国際金融公社(IFC)、政治的リスクを保証する多数国間投資保証機関(MIGA)だ。
「私が就任してから1年間、世銀は堅調な業績を保つことができた。我々には、今日の不確実な状況下で途上国に立ちはだかる経済課題に対応する準備がある」と、ジム・ヨン・キム世銀グループ総裁は述べている。「春季会合では、2030年までに極度の貧困をなくす、また途上国の所得の下位40%の人々の所得を引き上げて繁栄の果実を全ての人に行き渡らせるという2つの新たな目標について、加盟国から賛同を得た。世銀はこれらの目標を達成すべく、あらゆる取り組み努力を再編している。」

キム総裁はまた、「我々は世銀の改革を進め、これらの新目標を通じて開発努力を活性化させ、途上国に変革的な開発に向けた解決策を提供するという新たな戦略を展開している。」「この任務に対する世銀グループ職員の献身を称えるとともに、来年度はさらなる前進を期待したい。」と述べた。

2013年度におけるIDAのコミットメントは2012年度の147億ドルを上回り、163億ドルと記録的な水準に達した。2013年度のIDA融資総額のうちアフリカ向けが占める割合は、約50%と最大となった。これに次ぐ南アジア向けは約25%を占めた。

金融危機からの回復が続く中、IBRDのコミットメントは152億ドルと危機以前の水準(2005~2008年度は平均135億ドル)を依然上回るものの、2010年4月に実施されたIBRD貸出に関するレビューでの需要予測の水準に近づきつつある。IBRD貸出のうち、最大の割合を占めたのは東アジア・大洋州地域、ヨーロッパ・中央アジア地域、ラテンアメリカ・カリブ海地域で、それぞれ36億6000万ドル、45億9000万ドル、47億7000万ドルであった。

世銀グループが2013年度に実施した農業および農業関連セクターへの新規コミットメントは80億ドルに上った。IBRDとIDAの融資総額に占める同セクター支援の割合は、2010~2012年度の平均9%から2013年度は12%に上昇した。国際金融公社(IFC)による農業分野への投融資は44億ドルと過去最高となった。上記のコミットメントを合計すると、世銀グループの農業行動計画2013~2015年における融資見通し(80億ドル~100億ドル)を達成している。IBRDとIDAの農業セクター支援のうち、サブサハラ・アフリカ地域向けは特に活発で14億ドルに達し、2010~2012年度の水準を35%上回った。

世銀は、金融市場を利用したリスク管理及び資本市場を利用したリスク回避手法を活用し、金融市場の激しい値動きによる損失や自然災害に加盟国が対処できるよう支援を行っている。2013年度に世銀が加盟国のために実行した為替と金利取引は48億ドルに上った。世銀はまた、55か国と公的債務管理の戦略を開発・実施するための組織強化に取り組んだ。さらに、49の国と機関に対し、外貨準備金をはじめとする金融資産の管理能力を強化するために技術支援を行った。これには中央銀行、年金基金、政府系ファンド、複数の国際機関・団体が含まれる。

民間セクターに特化した最大の国際開発機関であるIFCが途上国の企業向けに提供した投融資は、記録的な水準に達し、雇用創出や世界で最も喫緊の開発課題への対応において、民間セクターの力を活用することができた。

暫定データ(未監査)によると、IFCの投融資総額は、他の投資家から動員した資金を含め、2012年度の204億ドルから増加し、250億ドルに迫った。このうち、IFCの自己勘定での投融資契約額は183億ドルと過去最高の水準となった(2012年度比で19%増)。また他の投資家から動員した資金は65億ドルであった。これらの投融資は世界中で600件以上のプロジェクトに充てられた。

IFCは、サブサハラ・アフリカ地域を中心とする最貧国・地域を引き続き戦略的重点対象と位置づけた。これらの国・地域に対するIFCの投融資総額は、他の投資家から動員した資金を含め、過去最高の50億ドル近くに上った。IFC投融資プロジェクト全体の半数近くがIDA適格の最貧国におけるものだった。

「厳しい環境下で我々は、IFCのクライアントに著しい開発効果と財務面での成果をもたらした」と、IFCのジンヨン・ツァイ長官は述べている。「我々が投融資・動員した資金額は過去最大規模に達し、100か国以上において人々の暮らしの向上を支援することができた」

世銀グループの一員で政治的リスクを保証するMIGAの保証引き受け額も、過去最高の28億ドルとなった。MIGAは世界で30件のプロジェクトを支援した他、同機関が管理するヨルダン川西岸・ガザ地区投資保証信託基金を通じて3件のプロジェクトも保証した。サブサハラ・アフリカ地域向けの投資に今年度発行された保証額は15億ドルと、プロジェクト支援のための新規投資の半分以上を占めた。同地域のプロジェクトは広範なセクターにわたるが、最大の支援対象となったのはエネルギー部門だ。同地域における新規発行の大部分は、アフリカ大陸の電力不足に対応するためのプロジェクトに充てられ、競争力向上に大きな効果をもたらす。

「今年度も引き続きMIGAの保証に対する需要が高まった」と、本田桂子MIGA長官は述べている。「重要な点としては、MIGAのポートフォリオの分散化が大いに進んだことだ。これは、当機関があらゆる地域・セクターにわたるプロジェクトを支援し、新規プロジェクトの4分の3近くが世界の最貧困国での投資支援に充てられ、また脆弱国や紛争国でのプロジェクト支援が半分を占めたためである。MIGAが保証したプロジェクトの多くは、プロジェクト実施国に変革をもたらすだろう」

世銀グループの重要な優先支援対象であるサブサハラ・アフリカ地域に対する2013年度のコミットメントは、25億ドル増の147億ドルで過去最高となった。この内訳は、IBRDとIDAによる同地域向け融資、グラント、保証が82億5000万ドル(前年度から8億ドル増)、IFCによる民間セクターの開発プロジェクトへのコミットメントが50億ドル近くと過去最高、またMIGAによる域内プロジェクトの保証が15億ドルだった。


世銀グループについて
世銀グループは、途上国に資金と知識を提供する世界最大規模の援助機関の一つです。国際復興開発銀行(IBRD)、国際開発協会(IDA)、国際金融公社(IFC)、多数国間投資保証機関(MIGA)から成り、各機関は、貧困を撲滅し途上国の人々の暮らしを向上するというミッションに、それぞれ重要な役割を担っています。